201611/21

FXとは~リスクを限りなく減らし大きな利益を得る為替取引の基礎

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FX外国為替のぶつかりあい

かつては一般の個人投資家が売買するなど想像すらできなかった外国為替の取引ですが、2001年にYahoo!BBがADSLを、NTTがBフレッツのサービスを開始するとインターネット接続の速度が飛躍的に向上、広く一般家庭に普及することで、個人向けの為替取引も一般の小口投資家へと広がっていきました。

こう書くとなにやらむずかしそうに思えるFXですが、企業の多くは円高になれば外国の通貨を買い、円安になれば外国の通貨を売る、といった具合に、FXを利用して本業の決済をするための資金を運用しています。また、金利の高い外国通貨を買って金利の安い円との差額を得たりすることも可能です。

個人投資家の売買が可能

2007年ごろになると、相場に影響するような要因がないにも関わらず、午後になると為替の相場がドル買いに集中する現象が起こるようになります。この現象は、昼休みになると日本の主婦やサラリーマンが一斉に「円売りドル買い」を行うために起こったものでした。

こうした個人投資家の売買による市場への影響は海外でも注目を集めます。その多くが一般の主婦やサラリーマンであったため、日本の小口個人投資家は海外で「ミセス・ワタナベ」と呼ばれるようになります。その存在は相場を大きく動かすほどの影響力を持ち、プロの投機筋も警戒するほどの資金力を誇りました。当時、日本の主婦が為替の取引で数億円の利益を上げ、1億円を超す巨額の脱税をしたとしてニュースにもなったほどです。

工夫をすることでリスクを回避、大きな利益を得る

FXでは証拠金(保証金)の額や、取引金額を決める倍率の設定(レバレッジ)、いつ売買をするかのタイミング、そのほかにもいろいろな工夫をすることによって、なるべく損をしないようにしつつ大きな利益をあげることが可能です。また、取引の対象は通貨、つまり「お金」そのものですので、株式や債券のように「まったく価値が失くなってしまう」リスクは限りなく少なくて済みます。

投資していた会社が倒産して株式そのものが消滅してしまったり、リーマンショックのような不況に見舞われて株価が10分の1になってしまった…などという心配はほとんどありません。通貨を発行する国が無くならない限り、お金としての価値は担保されるのです。とはいえ、為替変動の大きな通貨を売買すれば大きな利益が望める反面、大きな損を出すリスクはもちろんあります。そんなFXについて、基礎の基礎からご説明しましょう。

まだまだ個人投資家によるFX運用は活発

当時のような熱狂的なブームは去りましたが、個人が巨額の損失を出さないようなルールも導入され、現在も個人投資家による為替取引は活発に行われています。

FXとは英語のForeign Exchangeを省略したもので、正式には「外国為替証拠金取引」といいます。最近では「外為(がいため)」の略称でも呼ばれることのあるFXですが、その仕組みは、実際に売買を行う業者に保証金(証拠金)を預託することで、保証金の数十倍もの額を取引きできる「差金決済取引」の一種です。

インターネットで簡単に取引が可能

インターネットが普及し、コンピュータが発達したおかげで、今まではFXなどの金融取引と縁遠かった一般個人でも、かんたんに取引口座を開設することができますし、取引が面倒な人には自分の代わりにコンピュータが売買をしてくれる自動売買も可能です。最近はAI(人工知能)の進歩が目覚ましく、通貨トレードの世界でも人間を凌駕するほどのトレーダーぶりを見せています。

FXとは価値の異なる外国為替売買での差益を得る金融商品

FXとは一言でいうと「価値の異なる外国通貨(為替)同士を交換・売買することで生まれる差益を求める金融商品」です。私たちになじみ深い米ドルと円を例に取って解説します。

ドルと円の為替レートが1ドル=100円の時、1ドルのハンバーガーは100円で買えますが、1ドル=110円ならどうでしょうか。1ドル当たりの差額はわずか10円ですが、金額が大きくなれば当然差額も大きくなります。

たとえば、あなたが前から欲しいと思っているパソコンが500ドルだったとします。1ドル100円のときパソコンを買うには5万円が必要ですが、1ドル95円のときならば47500円で買うことができます。米ドル/円の為替レートが5円動いた(円高になった)だけで2500円もお得にパソコンを買うことができるのです。

これが500万円の高級車だとしたらどうでしょうか?たった5円の為替変動で、面倒な交渉などせずとも25万円もの値引きが可能になるのです。

このように、少ない円で他の外貨と交換できることを「円高」(円の価値が高い)、反対に多い円で他の外貨と交換することを「円安」(円の価値が低い)と言います。FXの売買では、この円の例のように各国の通貨の為替レートがある価格から高くなるか、または安くなるかを予想します。高くなると判断した場合は「買い」、安くなると判断した場合は「売り」取引を行い予想通り為替が動いたら利益が発生していくのです。

FX会社の選び方

FXを始めるにあたり、取引をするための口座を開設しなければなりませんが、どこの金融会社でもよいという訳ではなく、自分に合った業者を選ぶことが大切です。具体的には各種手数料、取引できる通貨ペア、口座へ入金した元金に対して発生する金利など、後で述べる重要なポイントを必ず確認することが大切です。

FX取引業者は、

・外為専業

・証券会社

・銀行

・東京金融取引所による市場参加業者

から選ぶことができます。一般的なのは証券会社ですが、初心者に人気の高いのは「外為どっとコム」などのFX専業と「GMOクリック証券」などのインターネット証券会社です。いずれもネット取引を前提にしていますので、FX初心者でも始めやすく、リアル店舗を持たない分、手数料やスプレッド(売値と買値の差額)安くできる点が魅力です。

外為どっとコム

外為どっとコムは格安航空券でおなじみのH.I.S創業者が設立した会社で、初心者向けに注文の仕方やツールの操作方法、専門用語の説明、実際の取引でのポイントなどを解説するオンラインセミナー「マネ育スクール」を配信しています。

外為どっとコムは格安航空券でおなじみのH.I.S創業者が設立した会社

実際の取引でのポイントなどを解説するオンラインセミナー「マネ育スクール」出典:外為どっとコム

GMOクリック証券

GMOクリック証券はインターネット関連事業大手のGMOグループの証券会社です。市場参入時は、手数料無料、スプレッド0銭~、と業界に価格破壊を巻き起こしました。現在も点数料無料、スプレッド固定などの格安取引を売りにしています。また、証券会社では株式、FX、先物など取引ごとにIDとパスワードが異なりますが、GMOクリック証券ではすべて同一のID/パスワードで取引できるシングルサインオンを導入しています。

インターネット関連事業大手のGMOグループの証券会社

GMOの100%子会社出典:GMOクリック証券

インターネット関連会社らしく、システム開発力を売り物にしており、証券界のGoogleを目指しているとしています。CMには有名タレントを起用し、イメージ戦略にも長けています。さすがGMOの100%子会社、という感がありますね。

くりっく365

個々の取引業者以外に「くりっく365」という、東京金融取引所が開くFX取引市場があります。東京金融取引所とは、東京証券取引所、東京商品取引所などと同様に先物取引を行う市場です。財務省が管轄する取引所としては最も新しく、金融リスクに対して先進的な取り組みを行っており、投資家にとって安全性の高い取引が特徴です。

個々の取引業者以外に「くりっく365」

くりっく365は売り手と買い手が直接売買を行うのでなく、複数の取引参加業者が提示するレートに対して注文を行う「マーケットメイカー方式」と呼ばれる取引です。証拠金は東京金融取引所で担保されるので、万が一取引業者が破たんしたとしても安心です。

取引業者が破たんしたとしても安心出典:くりっく365

どうせFXを運用するなら手数料は低く、金利は高い方がいいですよね。特に通貨ペアは1番重要なポイントで、取引をする通貨によって変動幅や金利が大きく違うので運用を始める前にちゃんと確認する必要があります。

米ドルと英ポンドを例に、具体的に見てみましょう

通貨ペアでの取引

出典:通貨と通貨ペアの違いは?(FX図鑑)

米ドルは比較的変動幅が少なく1日に1ドルほどしか動きません。じっくりチャートを見つつ数日単位で取引ができるので初心者向きの通貨ペアと言えます。また、米ドルは日本人にとって一番馴染みのある通貨なので取引量も多く、FX各社が設定しているスプレッド(取引手数料)も狭くなっています。そういう意味でも、まず最初はJPY/USDから始めるのがいいでしょう。

一方、英ポンドになると激しく乱高下しています。1日の動きが大きいので短期での取引(デイトレーダー)に向いています。またスプレッドは米ドルに比べて大きくなっています。

FX会社を選ぶときに確認するポイント

FX会社を比較するときには、いくつか確認するべきポイントがあります。

その中でも一番大切なポイントは費用です。これからFXを始めようというあなたも、一番気になるにはそこではないでしょうか?

FXにかかる費用は、具体的には「売買手数料」と「スプレッド」の2つです。この2つをいかに低く抑えるかがFX会社選びのキモになります。 費用以外の確認ポイントとしては「レバレッジ」と「スワップ金利」も重要です。

FXにかかる費用(売買手数料、スプレッド)

それでは、費用の中身を具体的に見ていきましょう。

・売買手数料

外貨を売買するときにかかる費用。現在はほぼ全てのFX会社の売買手数料が無料になっている。

・スプレッド(手数料)

スプレッド(spread)とは英語で「広がり・幅・広さ」という意味。FX用語としてのスプレッドの場合は「売値(ASK)」と「買値(BID)」の差額を意味する。

FX以外の商品(株式など)の場合には同時刻に売買をした場合は買値も売値も同じ価格ですが、FXの場合は買値と売値それぞれに価格が設定されています。

例えば、為替レートの表示において「米ドル/円」が「1ドル=100.15~100.20円」と表示されている場合は、「売値が100.15円、買値が100.20円」という意味になります。この売値と買値の差0.05円(5銭)がスプレッドです。

例えば「1ドル=100.00円」で米ドルを買ったとしましょう。後日、同じレート「1ドル=100.00円」で売ったとしても、そこからFX運用会社の手数料(スプレッド)が引かれて受け取る金額は「99.99円」となります。(スプレッドが1銭の場合)

取引会社や取引する外貨の種類によってスプレッドの幅は変わってきますので、よく確認しておきましょう。たかが1銭とあなどるなかれ、取引が大きくなれば無視できない金額になります。

スワップ金利

出典:通貨ペア別スプレッドを一覧表で比較(FX比較マネー)

スワップポイント(スワップ金利)

FXでは運用をしながら取引通貨に応じた金利を毎日受け取れます。2通貨間の金利差のことをスワップポイントといい(スワップ金利ともいう)、各国通貨ごとにスワップポイントは異なります。また、金利は日々変動しているので、政策金利の変更があると大きく変わることもあります。FX会社によってもスワップポイントは違うので、取引を始める前によく確認することが大切です。

低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買えばスワップポイントを受け取れますが、逆に高金利の通貨を売り、低金利の通貨を買えばスワップ金利を支払うことになります。

実際にどのくらいスワップポイントをゲットできるの出典:スワップポイントとは(FX初心者の入門講座)

金利が高くミセス・ワタナベに人気の『豪ドル/円(AUD/JPY)』の場合、実際にどのくらいスワップポイントをゲットできるのでしょうか。

豪ドル(AUD)を「1豪ドル=80円」の時に1万ドル買ったとします。豪ドルの金利が2.0%、日本円の金利が0.1%だった場合「豪ドル2.0%-日本円0.1%=1.9%」となるので、年間15,200円をスワップポイントとして受け取ることができます。

スワップポイントはポジション(外貨の残高)を維持している日数分もらうことができます。NY市場が閉まる17時、日本時間7時(サマータイムの時期は6時)をまたいでポジションを維持しているとスワップポイントが付きます。ですから、極端な例をいえば日本時間6時50分に外貨を買って、7時10分に売ったとしても、その日のスワップポイントが得られるわけです。(FX会社によって時間帯が異なる場合あり)

レバレッジ

レバレッジとはテコの作用のこと。

FXでは口座に実際に入金した金額(証拠金)に対してレバレッジを掛けることができます。この、少ない資金で大きな金額の取引ができる点がFX最大の魅力です。

レバレッジの仕組み

出典:レバレッジってナニ?(FX図鑑)

レバレッジをかけられることは他の金融商品にはないFXの特徴の1つで、レバレッジを10倍に設定すれば、『米ドル/円』取引において、為替レートが1ドル=100円のとき、100万円の元金で10万ドル分(1000万円)の取引が可能です。レバレッジを掛けて元金が多くなれば、FXの取引で生まれる為替差益(為替差損)も大きくなります。

レバレッジをかければ、当然、損失も大きくなるので注意が必要です。例えば、100万円の元金に10倍のレバレッジを掛けて1000万円で取引している場合、本来なら50万円で済む損失を出したとしても、レバレッジによって損失が500万円になってしまいます。ただし、FXには『ロスカット』と呼ばれるリスク回避のルールがあり、ロスカットがあるおかげで、元金以上の損失を出して借金を背負うことは滅多にありません。

具体的にロスカットはどんな状況で働くのか?

「取引している金額に対して、実際に預け入れたお金(証拠金)の残高の割合」を『証拠金維持率(保証金維持率)』といいます。証拠金維持率は「時価残高÷証拠金必要額×100」で求められ、FX会社の多くはこの証拠金維持率が50%~70%になった時点で追加の証拠金を入金するように顧客に働きかけます。

この、顧客への追加証拠金入金の連絡を『マージンコール』といいますが、マージンコールを受けた顧客が証拠金を追加せずさらに損失が拡大すると、その時点で保持しているポジションを強制的に決済して損失を確定させます。この制度のことを『ロスカット』といいます。ロスカットが実行されると損失が確定してしまいますが、これは証拠金以上の損失をあらかじめ防ぐための措置であり、顧客の資産を守るために導入された制度です。

以下の表では各FX会社で最大何倍までレバレッジをかけられるか、比較することができます。 なお、金融庁のレバレッジ規制により2011年8月1日以降、国内のFX会社についてレバレッジは最大25倍までに制限されています。

通貨ペア

取引する通貨の組み合わせのことを通貨ペアといいます。メジャーな国の通貨はほとんどのFX会社で取り扱えますが、新興国の通貨はすべてのFX会社が取り扱っているわけではありません。また、通貨ペアによって為替の変動幅や変動周期が大きく異なります。

通貨ペア出典:各通貨ペアの特徴(FX図鑑)

例えば『ポンド/円』は乱高下が起きやすく、1日のうちでも為替レートが大きく動きます。一方、『米ドル/円』は動きが穏やかで乱高下が少ないので初心者向けの通貨ペアです。このように、通貨ごとの性格を把握することが重要なポイントです。

どの通貨ペアを選択するか?という問題は、全てのFXトレーダーにとって最も重要な問題の一つです。なぜなら、1つの通貨ペアでエントリーすると、それに使った資金は他の通貨ペアのトレードでは使えないからです。為替変動の少ない通貨ペアにエントリーしてしまえば、変動の大きな通貨ペアでエントリーできなくなってしまい、結果として機会損失を大きくしてしまうことがあるからです。

とはいえ、初心者のうちは相場の乱高下が少ない『米ドル/円』1つでトレードを始めるのがいいでしょう。

ある程度トレードの経験を積んで取引に慣れてきたら、『米ドル/円』にプラスして、『米ドル/円』と反対の動きをする通貨をもう一つ足してもいいかもしれません。相反する動きをする通貨を同時に保有することで、リスクの分散になるからです。こうした取引上のテクニックについては、今後詳細な解説をしていきたいと思います。

まとめ

誰しも初めての金融取引は不安に思うもの。しかし、すべてにおいて大切なことは基礎をしっかりと勉強しておくことです。今回はFXを始めるために必要な初歩の部分を重点的に解説しました。

ここで学んだ基礎となる部分をしっかり守って、ひとつずつ実践していってください。まずはFXの口座を開設して、少ない金額から取引を開始してみましょう。金融取引も習うより慣れろ、実際に始めてみれば意外にかんたんに思うことでしょう。

FXで安定した稼ぎを得るためのテクニックや、FXの裏技的な使い方を知りたい方は次章以降をチェック!

わかり易く順番に解説していきます。

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